アレルギー

気管支喘息

気管支喘息とは

気管支に慢性的な炎症が起きて、さまざまな刺激(ウイルス感染、天気の変化、たばこの煙、激しい運動、ダニ・動物の毛など)に気道が敏感になり、発作的に気道が狭くなる病気です。

気道が狭くなると、咳がひどくなり、寝られなくなることがあります。また、呼吸時にゼーゼーやヒューヒューという音(喘鳴)が聞こえることもあります。風邪を引くたびに咳がひどくなる、ぜいぜいしているなどの症状が気になる方は、一度当クリニックにご相談ください。

出典:おしえて 先生!子どものぜん息ハンドブック

診断・検査

  • 詳細な問診と聴診所見を重視

    当クリニックでは喘息の診断にあたり、詳細な問診(これまでの喘鳴エピソード、家族歴、アレルギー歴、生活環境)と聴診所見を重要視しています。必要に応じて、アレルギーの要素を調べる血液検査などもご提案いたします。非典型的な経過をたどる場合は、胸部レントゲン検査のために専門機関をご紹介させていただくこともあります。

治療

  • 喘息治療の2つのアプローチ
    発作時と非発作時の治療方法

    喘息の治療には、発作時(ゼーゼーしている時)と非発作時(症状がない時)の治療があります。発作時には、気管支を広げる吸入薬や飲み薬、貼り薬などを使用します。
    一方、喘息のお子さんは非発作時でも気管支に慢性的な炎症が続いています。そのため、風邪や天候の変化、運動などの刺激によって発作が起こらないよう、長期的な管理と予防が必要です。

治療には、以下のような薬がよく使用されます。

主な長期管理薬

吸入ステロイド薬

  • オルベスコ

    (50μg、100μg、200μg)

  • パルミコート吸入液

    (0.25㎎、0.5㎎)

  • フルタイドエアゾール

    (50μg、100μg)

  • アドエア
    100ディスカス

ロイコトリエン受容体拮抗薬

  • 左:オノンカプセル

    (112.5mg)

    右:オノンドライシロップ10%

    (50mg、70mg、100mg)

  • 左:シングレアチュアブル錠

    (5mg)

    右:シングレア細粒

    (4mg)

  • 左:キプレスチュアブル錠

    (5mg)

    右:キプレス細粒

    (4mg)

主な発作治療薬

気管支拡張薬

  • メプチン吸入液ユニット

    (0.3ml、0.5ml)

  • メプチンエアー

    (10μg吸入100回)

気管支拡張薬の貼り薬(ホクナリンテープ®など)は、効果があらわれるまでに数時間かかります。そのため、すぐに効いてほしいときに使う薬としては適していません。

喘息の治療目標は、発作のない状態をできるだけ長く維持することです。必要な長期管理をしっかり行い、日常生活やスポーツを問題なく行えるようにしましょう。最終的には、薬を使わなくても発作が起こらない状態を目指します。

よくいただくご質問

  • 過去に喘息と診断されてから同じ薬を飲み続けています。
    いつまで続ければいいですか?

    長期管理では、発作時の重症度や非発作時のコントロール状況(喘鳴の頻度、朝・夜のせき込み、運動時の喘息症状)を考慮し、治療を強化(ステップアップ)したり、軽減(ステップダウン)したりする必要があります。
    当クリニックでは、定期的な外来でご自宅での状況をお伺いし、良好なコントロールが維持されている場合には、適宜治療のステップダウン(薬の減量)を提案させていただきます。
    目安として、小児気管支喘息治療・管理ガイドラインに従い、3か月以上良好な状態が維持されれば、薬の減量を進め、最終的には薬なしで発作が起こらないかを確認します。
  • 吸入ステロイドの副作用はありますか?

    吸入ステロイド薬は、気管支に直接届くため、内服ステロイドの約100分の1の少量でも効果があります。しかし、薬が口の中に残ったままだと、のどの違和感やカビの発生(カンジダ症)を引き起こすことがあります。
    これを防ぐためには、吸入後にうがいをすることが重要です。うがいができない年齢のお子さんには、吸入後に水を飲んで胃に流すことをおすすめします。