• 【皮ふ】伝染性軟属腫(水いぼ)

    水いぼとは?

    水いぼとは伝染性軟属腫ウイルスの感染で発症する皮膚の感染症で、水っぽい光沢のある15mm程度のいぼが多数出現します。接触により人から人にうつります。6か月~3年程度で自然治癒するとされていますが、治るまでの期間は個人差があります。

     

    治療は?

    水いぼの治療にはいくつか選択枝があり、絶対的な正解はありません。

    お子さんの状況に合わせて治療法を選択します。

     

    1.自然治癒を待つ

    上記の通り、水いぼは放っておいても自然になる感染症です。

    経過観察する上での注意点としては、水いぼの箇所を搔き壊さないことやきょうだいなど他のお子さんとタオル等を共有しないことです。

     

    2.ピンセットで摘出する

    水いぼの治療の中で最も確実な治療法です。数が少ないうちにピンセットで摘み取るのが理想ですが、水いぼの数が多くなりすぎてしまうと1回で取りきれない場合があります。摘出には痛みを伴うため麻酔のテープを使うことが一般的です。しかし、痛みではなく、処置への恐怖感から泣いてしまうことも多々あります。

    当クリニックでは現在ピンセットでの摘出は行っておりませんので、摘出を希望される場合には対応が可能な皮膚科クリニックをご紹介させていただきます。

     

    3.内服薬・外用薬

    水いぼのお子さん全員に効果がある訳ではありませんが、飲み薬や塗り薬での治療もあります。

    飲み薬にはヨクイニンという漢方薬があり、消炎効果や体内の余分な水分を排出する作用があるとされ、いぼをはじめとする肌トラブルでよく使用されます。

    外用薬には様々な種類がありますが、当院クリニックでは銀イオン配合クリームを採用しています。クリーム塗布開始から2週間~2か月前後で塗布した水いぼの箇所が赤く変化し、その後1か月前後で徐々に水いぼが消えていきます。治療開始から平均23か月程度で水いぼが治ると報告されていますが、効果には個人差があります。比較的新しい治療であり、保険適用がなく自費診療となってしまい、1本あたり2,200円(税込み)となります。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

     

  • 【夜尿症】日常生活で気を付けること

    夜尿症治療で最初に行うことが生活習慣の見直しです。

    夜尿症診療ガイドラインにも「すべての患者・家族に対して、生活指導を行うことを推奨する。」という記載があります。当クリニックにおいても、夜尿症の治療を希望されるみなさんに対して、普段の生活リズムをお伺いし、夜尿の原因となるような習慣があれば、アドバイスをさせていただきます。

    具体的には以下のことに気を付けていただきます。

     

    1.就寝時間、夕食の時間を一定にして、夕食は寝る2~3時間前までには終わらせましょう

    摂取した水分の80%が3時間後に尿となって排泄されるというデータがあります。寝る3時間前には夕食を終わらせることが理想ですが、難しい場合は2時間前を目指しましょう。

     

    2.夕食後からはできるだけ水分摂取を控えましょう。

    お風呂の後にどうしても喉が渇く場合はコップ半分程度、もしくは氷を2.3個舐めるようにしましょう。お風呂を夕食前に済ませてしまうという方法もあります。

     

    3.食事内容に気を付けましょう。

    塩分を摂りすぎると喉が渇き、水分摂取が増えます。またフルーツにも水分やカリウムなどの利尿効果の高い成分が含まれています。夕食後のデザートとしてではなく、朝食や夕方のおやつの時間に食べるようにしましょう。

     

    4.寝る直前に必ずトイレに行きましょう。

     

    5.寝るときに体が冷えないようにしましょう。

    体が冷えることで尿が増えてしまいます。また膀胱も収縮するため夜尿の原因となります。

     

    6.便秘に気を付けましょう。

    便秘によって直腸が拡張すると、膀胱が圧迫されます。昼間に適切な水分を摂取し、食物繊維を多く含む食事を意識しましょう。しかし、便秘は生活習慣の改善のみではなかなか治らないので、当クリニックでは飲み薬や浣腸を適切に使用し、便秘診療も同時に行います。

    出典:「子どもの便秘はこう診る!親子のやる気を引き出す小児消化器科医のアプローチ」十河剛(著)南山堂より