診療案内

アルコール低減外来

「飲酒をコントロールすることが難しく」と感じていたり、お酒の飲み過ぎで生活や仕事に支障が出てきているなど困りごとある場合に相談できる外来です。アルコール依存症の診断や評価を行なって必要な場合にはアルコール依存症の治療をご案内しています。気になる方はお気軽にご相談ください。

アルコール依存症とは

アルコール依存症は、たくさんのお酒を飲み続けることによって、脳にダメージが生じ、自分の意志ではお酒をコントロールすることが難しくなる病気です。最初は楽しみを求めて飲酒をしますが、しだいに不快感が高まり、イライラ、抑うつ、不眠などの不快感が増してきます。これらの不快感を避けるために飲酒を続けるようになります。やがて、飲酒を望む欲求が抑えられず、他のことよりも飲酒を優先し、飲酒量が増えることで体と心に影響を及ぼします。

アルコール依存症の診断

アルコール依存症のスクリーニングのためにAUDITと呼ばれる簡単なアンケートを行います。外来の申し込みフォームにも質問項目がありますで、受診前にお答えください。受診時にはさらに詳しく問診をして診断を進めていきます。以下の診断基準が3つ以上あてはまる場合にはアルコール依存症と考えられます。

「アルコール依存症の診断基準(ICD-10)」

過去1年間に以下の項目のうち3項目以上が同時に1か月以上続いたか、
または繰り返し出現した場合
1 飲酒したいという強い欲望あるいは脅迫感
2 飲酒の開始、終了、あるいは飲酒量に関して行動をコントロールすることが困難
3 禁酒あるいは減酒したときの離脱症状
4 耐性の増大
5 飲酒にかわる興味を無視し、飲酒せざるをえない時間やその効果からの回復に
要する時間が延長
6 明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず飲酒

アルコール依存症の治療

アルコール依存症の治療には断酒と減酒の二つがあります。治療の基本は断酒ですが、いきなり飲酒をやめることはできなくても減酒をしたり、断酒の前の中間目標として飲酒量を減らすなどを目的として減酒治療を選択する場合があります。ただし、下記に当てはまる方は断酒治療が優先されます。その場合には断酒治療を提供する専門医療機関をご紹介します。

●入院治療を要する方

●飲酒よって日常生活や社会生活に著しく支障をきたしている方

●飲酒に伴う臓器障害が重篤で生命に危機がある方

●緊急の治療を要するアルコール離脱症状(幻覚、けいれん、振戦せん妄など)のある方

アルコール低減外来で行う
「減酒治療」

アルコール依存症の減酒治療はハームリダクションを目的として、飲酒量を減らすことによって飲酒による害を減らしていきます。治療は療養指導(心理社会的治療)と薬物療法を組み合わせて行なっていきます。
アルコール低減外来では、薬物療法として「セリンクロ(ナメルフェン)」を用います。セリンクロは1回10mgを飲酒の1〜2時間前に内服します。もし飲み忘れてお酒を飲み始めてしまっても気付いたらすぐに内服することができます。

治療の進め方

初回は対面診療で予約制となります。2回目以降は対面診療・オンライン診療のいずれかを選択することができます。目標とする飲酒量を相談の上で定めて、目標に近づいているか確認しながら治療を行なっていきます。

治療目標

●飲酒量が、男性では1日平均40g以下、女性では平均20g以下に減少

●飲酒量が低下し、飲酒に関係した健康問題、社会問題に顕著な改善を認める

などが3ヶ月間以上継続することなどが例に挙げられます。

治療費について

アルコール低減外来における薬物療法は保険適応となります。

アルコール量の計算と
リスクレベル

アルコール量の計算

純アルコール量20gは概ね以下の量になります。

酒の種類 ビール
発泡酒
チューハイ 焼酎 日本酒 ウイスキー
ジン
ワイン
アルコール
度数
5% 7% 25% 15% 40% 12%
だいたいの
目安
中ビン・
ロング缶1本
350ml缶1本 0.5合強 約1合 ダブル1杯 ワイングラス
2杯弱

リスクレベルについて

Drink Risk Level
(DRL)
純アルコール量
男性 女性
Very high 100g超 60g超
High 60g超〜100g以下 40g超〜60g以下
Medium 40g超〜60g以下 20g超〜40g以下
Low 1g以上〜40g以下 1g以上〜20g以下

※WHOで定義される1日の飲酒量に基づくリスクレベル

診療日

第2・4週の金曜・土曜のみの
診療となります。

ご予約

窓口

TEL:047-700-5020

(予約専用ダイヤル)

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    ご用意いただくものは下記となります。

    ●保険証 
    ●薬⼿帳 
    ●紹介状(お持ちの⽅のみ)