• 【RSウイルスワクチン(アブリスボ®)の接種を開始しました】

    妊婦(24週~36週)の方、60歳以上の方の接種が可能に!

    RSウイルス感染症は健康な成人では風邪のウイルスの原因の一つとして知られていますが、1歳未満の乳児や高齢者が罹患すると肺炎などに移行し、重症化することもある疾患です。

    特に生後6か月未満のお子さんでは重症化することも多い反面、治療は抗ウイルス薬などの特別な治療はなく、症状緩和に限られています。ワクチンの開発が長らく待たれていましたが、2024年6月より母体を通して乳児へ抗体を移行するという方法でワクチン接種が可能となりました。

    高齢者では60歳以上の成人で、肺炎などの原因となり、重篤な転機となる可能性があり、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)やうっ血性心不全などの慢性疾患を悪化させることが知られています。

    接種が可能なのは以下の方です。

    ①妊娠24週~36週の妊婦(推奨は28週~36週)

    ②60歳以上の成人

    接種後14日以内に出生した乳児における有効性は確立されていないことから、妊娠中で接種ご希望の方は接種が可能になりましたらできるだけ早期に接種をおすすめいたします

    接種方法は筋肉内注射になります。副反応は疼痛、軽度の赤み、腫れ、頭痛などが起こりえます。

    公費での助成は残念ながらなく、自費での接種となります。

    費用:34,100円

    ご予約:お電話にて承ります。接種希望日の1週間前までにお申し込み下さい。

    電話:048-242-3434

  • 子宮頸がん予防(HPV)ワクチン「HPVワクチンの副反応」

    HPVワクチンの副反応が心配で、ワクチン接種を控えている接種対象者や保護者の方もいるかもしれません。頻度の高い副反応は、注射部位の痛み、腫れ、赤みなどです。重いアレルギー症状や神経系の症状が起こることもありますが、まれなものです。

     

    HPVワクチンは、コロナワクチンと同様に筋肉注射のため、接種を受けた部位の痛みや腫れ、赤みなどの症状が起こることがあります。
    痛みは50%以上の頻度で発生するとされていますが、多くの場合は数日程度でおさまります。

     

    2013年に定期接種が始まった頃には、ワクチン接種後に全身の強い痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動などの多様な症状が報告されました。

    2015年ごろから、厚生労働省の研究班による研究やいわゆる名古屋スタディにおいて、ワクチンの安全性に関する研究が行われてきました。これらの研究により、HPVワクチン未接種者でも接種後に報告されている「多様な症状」が一定の確率で存在することが示され、また、接種群と非接種群で発生頻度に差が見られないことが確認されました。そのため、ワクチンと多様な症状との因果関係については否定的な見解が出されています。
    (厚生労働省 HPVワクチンに関するQ&A 問2-15 参照リンク

     

    また、予防接種ストレス関連反応という概念もWHO(世界保健機関)から発表されています。
    これは予防接種のストレスや不安から、ワクチンの種類に関係なく、めまいや失神、接種後に時間が経ってからの脱力、まひ、手足の異常な動き、歩行障害などの症状が確認されています。
    こうした症状は、医療者からの事前の丁寧な説明や、痛みへの適切な対処で予防できると考えられています。

     

    子宮頸がんは、20代から30代の出産可能年齢の女性にも多く見られ、「マザーキラー」と呼ばれるがんです。がんの治療によって子宮を失うことや若くして亡くなることもまれではありません。

    世界保健機関(WHO)でも、子宮頸がんはHPVワクチンによって予防され、早期発見と効果的な管理が可能ながんの1つとされています。このため、世界各国に対して子宮頸がんの抑制に向けた取り組みが求められています。英国やフィンランドでの研究では、ワクチン導入後に子宮頸がんや前がん病変の明らかな減少が報告されており、オーストラリアでは今後40年以内に子宮頸がんを制御できる可能性が示唆されています。

     

    がんの発症は数十年後になることもあるため、ワクチン接種後すぐに効果が現れるわけではありません。したがって、臨床試験では主に前がん病変であるCINの予防効果が比較されます。現在の研究では、ワクチンに含まれるHPVの型によってCINなどの前がん病変を95%以上予防できることが示されています。

     

    ぜひ前向きに接種をご検討ください。

     

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  • 子宮頸がん予防(HPV)ワクチン 「男性への接種」

    HPVは、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、子宮頸がん以外に、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどに関与していると考えられています。
    男性がHPVワクチン接種をすることで、これらのがんや尖圭コンジローマなど性感染症の予防効果が期待できます。

     

    また、男性がHPVワクチン接種により感染を予防することで、女性へのHPV感染を防ぎ、子宮頸がんの予防にもつながります。

     

    国内で使用されているHPVワクチンのうち、男性への接種が承認されているのは4価ワクチン(ガーダシル®)のみです。

     

    現在、男性への接種は定期接種ではないため、費用は接種者の全額負担となります。東京都では小児男性への助成が開始する予定となっているなど、自治体により助成の動きも出てきています。現在のところ戸田市では全額自費となりますが、接種をご希望の方は男性でも可能ですので当院での接種をご検討ください。費用などは各自治体のホームページなどををご参照ください。

     

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  • 子宮頸がん予防(HPV)ワクチン「キャッチアップ接種」

    過去に定期接種の対象年齢であったにも関わらず、HPVワクチンの公費接種を受けられなかった方がいます。

     

    「キャッチアップ接種」に該当する方は、令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間公費で接種できます。

     

    ●平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性(※1)

    ●過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない(※2)

    ※1:令和5年4月からは、平成18年度生まれ(誕生日が2006年4月2日~2007年4月1日)の方もキャッチアップ接種の対象になります。また、平成19年度生まれ(誕生日が2007年4月2日~2008年4月1日)の方も、通常の接種対象の年齢(小学校6年から高校1年相当)を超えても、令和7(2025)年3月末まで接種できます。

    ※2:過去に接種したワクチンの情報(ワクチンの種類や接種時期)については、母子健康手帳や予防接種済証等でご確認ください。

     

    2013年から2021年にかけて、HPVワクチン接種後に報告された様々な症状により、HPVワクチン接種を個別に推奨する取り組みが一時的に差し控えられていました。この間に、接種対象年齢であった女性のHPVワクチン接種率は極めて低い状況となっています。そのため、定期接種の対象であったが接種できなかった方に対して、定期接種の対象を超えて接種が可能となっています。なお、「HPVワクチンの副反応」にも記しましたが、当初報告された不随意運動などの報告はその後の研究において、HPVワクチンそのものとの関連は否定的であるとの結果が報告されています。

    (厚生労働省 HPVワクチンに関するQ&A 問2-15 参照リンク

     

    このキャッチアップ接種の期間は、2025年3月31日までです。15歳以上の方は合計3回接種が必要となり、最短6か月かかるため、公費での接種をご希望の場合は、少なくとも2024年9月までには接種を開始する必要があります。

    また、性交経験によるHPV感染によって、HPVワクチンの予防効果が減少することが示されていますが、予防効果がなくなってしまうわけではありません。これまでの研究では45歳までの女性に対するHPVワクチン接種の有効性が示されているとの報告もあります。

    キャッチアップ接種の対象外の方(対象年齢は上記参照)は自費となりますが、ご希望の場合には接種が可能です。

     

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  • 子宮頸がん予防(HPV)ワクチン「HPV感染を予防しよう」

    比較的若い世代の女性に発症しやすい子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が長期に渡って感染することでがんになると考えられています。
    子宮頸がんはHPVワクチンと検診によって予防できるがんです。先進国では近い将来、撲滅も可能だと予測されています。

     

    現在、小学校6年~高校1年相当の女子は、定期接種として無料(公費助成)でHPVワクチンを受けることができます。

    HPVワクチンは現在流通しているものはサーバリックス®(2価)、ガーダシル®(4価)、シルガード®9(9価)の3種類がありますが、2023年度から接種可能となったシルガード9はすでに世界中の国と地域で承認されており、子宮頸がんの原因となるHPV型の9割近くの感染を予防することができ、3種類の中では最も効果の高いワクチンとなります。

     

    ワクチンは一定の間隔をあけて、同じ種類のワクチンを合計2回または3回接種します。接種するワクチンの種類や年齢によって、接種のタイミングや回数は異なります。

     

    初回接種後は同じ種類のワクチンを接種することが推奨されているため、当院では初回接種の方はシルガード9をお勧めしております。他院にてガーダシル、サーバリックスを接種済みの方で当院での引き続きの接種をご希望の方は、状況に応じた個別対応が必要となりますため、当院までお問い合わせください。

     

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  • 花粉症とは

    花粉症は、正式にはアレルギー性鼻炎のひとつで、花粉などの抗原(アレルギーのもとになるもの)を原因として、くしゃみ、鼻汁、鼻閉(はなづまり)などの鼻炎症状を呈する病態です。

     

    ■花粉症の診断

    診断においては問診が主となります。舌下免疫療法などの治療をご希望の場合には血液検査を行うこともあります。

     

    ■症状を抑える薬物療法(当院で実施)

    薬物療法には、内服薬、点鼻薬、点眼薬を用いる方法があります。

     

    ■内服薬

    下記の内服薬が、花粉症治療でよく用いられます。

    • 抗ヒスタミン薬:
      アレグラ®、アレロック®、ザイザル®、クラリチン®、ビラノア®など
      花粉症において主力となる薬剤により効き目や副作用に違いがあり、症状に合わせて処方します。1日1回のもの、2回のものなど飲み方も違いがあります。
    • ロイコトリエン受容体拮抗薬:
      プランルカスト(オノン®
      鼻粘膜の細胞からでるロイコトリエンと呼ばれる花粉症症状を引き起こす物質を抑えます。
    • 副腎皮質ステロイド:
      セレスタミン®など
      症状の強い方はステロイド薬と抗ヒスタミン薬の配合剤であるセレスタミンを用いることがあります。

     

    ■点鼻薬

    • ナゾネックス®、リノコート®、フルナーゼ®、アラミスト®、エリザス®など

    ステロイド薬が含まれている点鼻薬を、鼻噴霧用ステロイド薬をいいます。
    現在のアレルギー性鼻炎治療薬のなかでは症状改善効果が強いです。内服薬等よりも症状が改善されるまでの時間が短く早ければ1〜2日で効果がでます。

     

    ■点眼薬

    花粉症に眼のかゆみなどアレルギー性結膜炎の症状が合併している場合に用います

     

    ■舌下免疫療法

    ※現在、スギ花粉症の舌下免疫療法において初期投与薬である「シダキュア®スギ花粉舌下錠2000JAU」は限定出荷となっており、事実上2024年シーズンの新規開始につきましてはお受けできません。他院にて開始されている場合に継続処方をご希望の方につきましては処方が可能です。

    舌下免疫療法とは、からだを花粉などのアレルゲン(抗原)に少量から慣らすことで、症状を和らげたり、根本的な改善を期待する治療法です。

    アレルゲン免疫療法、減感作療法などと呼ばれることもありますが、同じ療法です。

     

    ■舌下免疫療法と一般の花粉症治療の違いは?

    一般的な花粉症治療とどのように違うかというと、薬物療法(内服薬など)は症状を引きおこす物質(ヒスタミンなど)を減らすことで症状を緩和する治療であり、内服していなければ効き目はありません。舌下免疫療法の場合には、免疫反応自体を調整します。基本的に花粉症の症状そのものをなくしてくれる治療となります。治療後時間が経つなどで効果が薄れることはありえます。

     

    ■舌下免疫療法の対象となる方

    スギ花粉症、ダニ(通年性)アレルギー性鼻炎の方のみが対象となります。

    事前の血液検査が必須になっており、診断がついた方のみ対象となります。

    新しい治療であり、長期的な有効性についてはまだ分かっていません。スギ花粉症の場合は、シーズンオフ(6~10月ごろが理想)に開始します。3~5年と長期間受ける必要があります。

     

    ■お子さまも治療を受けることができます

    舌下免疫療法は、5才以上の方は受けていただくことができます。重症の気管支喘息・悪性腫瘍・免疫系に影響を及ぼす恐れのある方は受けることができません。

     

    ■治療の流れ

    治療薬(抗原のエキス含有)を舌の下に置き、定められた時間保持したあと、飲み込みます。
    その後5分間はうがい・飲食を控えます。
    治療期間としては3年から5年くらい実施することが推奨されています。

     

    ■どんな副作用がありますか?

    最も心配される副作用がアナフィラキシーやショックといったアレルギー反応に伴う重篤な病状です。治療後すぐに発生することがあるため初回投与の際には病院で30分程度は観察します。
    その他は、口腔内の違和感、のどのかゆみ、耳のかゆみ、頭痛などがあります。

     

    ■舌下免疫療法を希望の方へ

    舌下免疫療法は2014年から保険適応となったあたらしい治療方法で、毎年花粉症の症状が強く、一般のアレルギー薬でも症状がつらい方にとってはよい治療選択肢になると思います。ただし長期的に花粉症を治すことができるかについては、まだわかっていないことも多く、一度改善しても何年か経つと効果が薄れてくる、なくなってくる場合もあると言われています。

    また80%程度の方で一度は症状が軽くなり、5年継続してほぼ完治される方も多いですが、症状の改善に個人差はあります。