内科

橋本病
どのような病気?
甲状腺という、のどぼとけの下にあるホルモンを出す臓器があり、自己免疫の異常で慢性的な甲状腺の炎症が起こることによって甲状腺ホルモンが減少し、多彩な症状をきたします。中高年の女性に多く、成人女性の約3~10%程度の方が罹患しているとも言われています。
症状は?
甲状腺の腫れやむくみ、皮膚の乾燥、便秘、眠気、無気力、体重増加、月経異常などが起こりうるのですが、すべての症状が起こるわけではなく、また全身性の多彩な症状でもあるため、診断がつきにくいことがあります。
診断は?
症状によりある程度疑わしい方に対して、血液検査を施行し、診断となります。バセドウ病との合併がみられることもあります。その場合にはバセドウ病の治療が優先となります。
治療は?
甲状腺ホルモンの内服薬であるチラーヂンS®を内服します。長期的な内服は必要となることが予想されますが、一生必要というわけではないこともあります。通常少量から開始し、維持量まで増やします。
なお甲状腺刺激ホルモン(TSH)という甲状腺ホルモンを出すように命令する上位のホルモンがあります。甲状腺ホルモンが正常にもかかわらず、TSHのみ高値となっているケースがあり、潜在性甲状腺機能低下症といいます。健康な人の4~20%に認められるといわれており、特に女性に多く、高齢になるとその割合は増加します。治療すべきかは議論の余地が多く、結論は出ていませんが、妊婦さんや妊娠を前提とする場合、また個々の症例に応じてチラーヂンS®を内服することがあります。