内科

脂質異常症

どのような病気?

血液検査をした際にLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、中性脂肪(TG)といった値を見たことはありませんか?そのような値が高くなります。

症状は?なにがまずいのか?

直接的な症状として現れることはほぼありません。しかしLDLコレステロールが高い状態が長年続くと、血管内にできた傷からLDLコレステロールが入り込みプラークという粥状物質の原因になります。プラークが血管壁に蓄積されると動脈硬化の原因となります。傷が治ると硬くなるイメージです。そのようにして動脈硬化が起こると、プラークの破綻が生じた場合、血栓という血の塊ができます。これが心血管障害(心筋梗塞など)や脳血管障害(脳卒中など)の原因となります。つまり心筋梗塞や脳卒中などにかかるリスクが高くなります。
年齢にもよりますがLDLコレステロール≧140程度で治療が必要です。中性脂肪については必ずしも単純には言えませんが、高すぎる場合には何らかの治療が必要となります。

原因は?

長年の食生活が原因となっていることが多いですが、家族性の場合もあります。そのほかネフローゼなどの腎臓疾患や肝硬変などの肝臓疾患、甲状腺ホルモンの異常やステロイドやピルなどのお薬が原因で二次的に発症される方もいます。

治療は?

原因がはっきりしている場合(二次性)はそちらの治療を行います。そうでない場合はまずは生活習慣の指導をします。食生活の改善や禁煙のすすめ、運動をはじめる、減量を開始するなどです。生活習慣の改善が難しい方、効果が乏しい方には、心疾患などの重篤な疾患につながるリスク(年齢、性別、家族歴など)を考慮し、リスクの高い方には内服薬をおすすめします。
余談ですが脂質=油のイメージで揚げ物の食べ過ぎをイメージされる方が多く、それも正しいのですが、特に女性を中心にヨーグルト・アイスクリームなどの乳製品が多い方も多いです。特にヨーグルトは体にいいイメージがあり、無理して食べているケースもたまに見受けられます。

どんなお薬があるの?

薬は主なものは2種類ですが、近年内服薬の種類も増えており、様々な薬があります。

  • スタチン系
    (メバロチン®、リピトール®、クレストール®など)

    広く使われています。スタチン系の中でも効果が強いもの、穏やかなものなどたくさんの種類があります。まれですが横紋筋融解症という副作用があります。
  • フィブラート系
    (ベザトール®、リピディル®、トライコア®など)

    ルーチンで使うことはありませんが、ときどき使うことがあります。LDLコレステロールよりも中性脂肪を下げる効果が高いです。副作用はスタチン系と同様です。