SNS

  • Instagram
  • X
  • LINE

病気とケアの基礎知識

病気とケアの基礎知識

コロナ後遺症

症状について

コロナ後遺症はさまざまな症状が関連しており、経過とともに症状の種類や重症度は変動していきます。コロナ後遺症を持つ多くの方は、倦怠感、頭痛、息切れ、体の痛み、持続性の咳などがあり、一部の方には微熱、胃腸の不調、動悸や心拍数の変化などに加えて集中力の低下や脳の霧(brain fog)、耳鳴り、四肢の感覚の低下などの神経学的な症状が出る場合があります。
診断基準や調査方法が各国で異なるので正確な有病率についてはわかっていませんが、推定では3ヶ月以上にわたり症状が持続する人は5〜10%程度存在するとされています(別の研究では調査方法の違いでもっと高い有病率の報告もあります)(注1)。

持続する症状

症状 60日後の割合 120日後の割合
嗅覚障害 19.4% 9.7%
呼吸苦 17.5% 11.1%
だるさ 15.9% 9.5%
7.9% 6.3%
味覚障害 4.8% 1.7%

その他の症状

海外の研究者からの報告では、下記の症状も報告されています(注2)。

  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 胸痛
  • 認知障害
  • うつ病
  • 不安
  • 睡眠障害
  • 頭痛
  • 発熱
  • 動悸
  • 脱毛 など

診断について

コロナ後遺症の診断名やその定義はまだ定まっていませんが、COVID19発症後の症状の持続やその経過などの病歴から判断します。その場合に他の病気で起きている症状か見分ける必要があります。COVID19の発症日からの症状の持続期間によりコロナ後遺症であるか診断しますが、現在は国によりその期間にばらつきがあります。

例えば、米国CDC*は4週以上、英国NICE**は12週以上(ただし、4〜12週をongoing symptomatic COVIDとしています)。

*CDC:疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)

**NICE:英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Care Excellence)

どうしてコロナ後遺症が起きるのか?

COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスは、体のさまざまな部位の細胞、特に肺や血管の内層に見られる受容体に付着します。影響を受ける臓器には、心臓、肺、腎臓、脳、腸、および膵臓の細胞などがあります。新型コロナウイルスの感染した後に、体内では炎症反応を起きます。通常はウイルスを倒すための反応ですが、炎症に伴うサイトカインと呼ばれる化学物質の産生により意図せずに自分の体の細胞に対して多くの損傷を引き起こしてしまいます。
さらにこのプロセスは血液を固まりやすくさせ血栓が形成されると、臓器の一部への血液供給を遮断しより多くの損傷を与えます。COVID19発症時や初期の症状が軽微であっても、体のさまざまな部位にダメージを受けている可能性があり、後遺症に繋がっている可能性があります。実際に、コロナ後遺症ではCOVID19の重症度によらず、持続的な症状を発症する場合があります。最近の研究では、血液検査や画像検査から入院していない人でも心臓、肺、肝臓への長期的な症状と臓器の損傷があることがわかってきています。

コロナ後遺症はどのくらい続くのか?

コロナ後遺症がどの程度続くかは、はっきりとわかっていません。症状によっても異なります。倦怠感などのコロナ後遺症のうち一般的な症状は、多くの人で数か月かけてゆっくりとではありますが、時間の経過とともに解消していくことが知られています。しかし、いくつかの合併症、特に血栓による臓器障害がある場合は、生涯にわたる問題を引き起こす可能性があります。

コロナ後遺症に対する治療や管理方法は?

コロナ後遺症についての根本的な解決方法はまだ見つかっていません。また、単一の病態ではなく人によって症状の種類や程度は異なります。そのため、症状に合わせて症状を和らげる治療やリハビリテーション、また症状とうまく付き合うためのアドバイスを受けて生活や仕事ができるように工夫するなどを行っていきます。

当院では、コロナ後遺症外来による診療を行っておりますので、コロナ寛解後に症状が改善されない方はご相談ください。