病気とケアの基礎知識
IBS(過敏性腸症候群)
IBS(過敏性腸症候群)について
IBSについて
IBS(過敏性腸症候群)は、お腹の痛みや不調に伴い、便秘や下痢などの排便異常が数ヵ月以上続く状態です。この病気は、大腸に腫瘍や炎症がないことが前提となります。約10%の人がIBSを患っており、特に女性に多く見られます。年齢とともに発症率は減少します。命に関わる病気ではありませんが、お腹の痛みや便通の異常、不安感が日常生活に支障をきたすことがあります。
IBSの定義について
診断基準としてローマIV基準という国際的な基準があります。繰り返す腹痛が、最近3カ月の間で平均して少なくとも週1日あり、次のうち2つ以上に該当する場合となります。
- 排便に関連する
- 症状とともに排便の回数が変わる(増えたり減ったりする)
- 症状とともに便の形状(外観)が変わる(柔らかくなったり硬くなったりする)
IBSの病態について
IBS(過敏性腸症候群)は、脳と腸の間の信号が通常よりも強くなりやすく、ストレス等が原因で腸が過敏になる病気です。ストレスを感じると腸が激しく動き、少しの刺激でも強い腹痛を感じるようになります。IBSの原因は完全にはわかっていませんが、腸の感染症が治った後に発症しやすいことが知られています。これは感染が腸内細菌のバランスを崩し、腸の粘膜を弱らせるためです。
IBSの診断について
IBSの診断には、前述のローマIV基準を用います。大腸の器質的疾患がないかどうか検査を行います。特に、血便や発熱、予期しない体重減少、異常な身体所見などの警告症状・徴候がある場合、また 50 歳以上の方、過去に大腸の病気の既往がある、家族に大腸疾患の家族歴があるなどのリスク因子がある場合には、必ず大腸内視鏡検査などの大腸検査を行います。
IBSの治療について
IBSは下痢型(IBS-D)、便秘型(IBS-C)、混合型(IBS-M)、分類不明型(IBS-U)に分類されます。
1) 生活習慣の改善(どのタイプも共通)
- 食事を規則正しく摂る。
- 暴飲暴食や夜間の大食を避ける。
- 食事のバランスに気を配る。
- ストレスを溜めないように心がけ、十分な睡眠と休養を取る。
- 刺激物、高脂肪の食べ物、アルコールを控える。
2) 薬物療法
治療の選択は症状のタイプや個々の状態に応じて行われます。
- 食事を規則正しく摂る。
- 暴飲暴食や夜間の大食を避ける。
- 食事のバランスに気を配る。
- ストレスを溜めないように心がけ、十分な睡眠と休養を取る。
- 刺激物、高脂肪の食べ物、アルコールを控える。
3) フォローアップ
IBSについては病状をみながら薬物療法等を調整していきます。また、IBSの患者は他の胃や食道の問題(機能性ディスペプシアや胃食道逆流症)が多く見られることがあります。うつ状態や不安もよく合併し、日常生活に支障をきたすことがありますので必要に応じて他の病気のチェックをしていきます。さらに、潰瘍性大腸炎やクローン病を発症するリスクも高いため、便に血がまじったり体重が減少したりする場合は大腸カメラによる精査を行なっていきます。
便秘は、当院の便秘・IBS(過敏性腸症候群)外来で診療を行っております。お気軽にご相談ください。