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病気とケアの基礎知識

病気とケアの基礎知識

腹水濾過濃縮再静注法
(CART:Cell-free and Concentrated
Ascites Reinfusion Therapy)

緩がんの緩和ケアにおいて、痛みの緩和がもっとも重要視されますが、非がん疾患の緩和ケアでは、痛みよりも腹水貯留によるお腹の張りや食欲不振などの症状緩和が重要になります。当院では、痛みに対する薬物療法以外に、腹水貯留の治療として腹水濾過濃縮(ろかのうしゅく)再静注法(CART)を行うことができます。

腹水濾過濃縮再静注法(CART)について

お腹にある内臓をつつむ膜を腹膜(ふくまく)といいます。腹膜は、腹腔(ふくくう)とよばれる空間をお腹の中につくっています。腹腔には内臓の動きをスムーズにするために通常20~50mLの水がありますが、さまざまな病気の影響で通常よりたくさん貯留した場合を腹水といいます。腹水が増えると、腹部膨満や食欲低下などの症状がみられます。腹水の原因には、肝硬変、がん性腹膜炎などがあります。
腹水の治療には、塩分制限や水分制限などの食事療法、利尿剤などの薬物療法がありますが、そのような治療を行っても改善しない腹水を難治性腹水(なんちせいふくすい)といいます。難治性腹水の患者さまに、CARTを行うことができます。CARTは、腹水を腹腔から抜いて、細菌やがん細胞を取り除き、アルブミンなどが濃縮された腹水を体に戻す治療法です。腹水を抜くことでお腹が張った感じが軽減し、吐き気、嘔吐(おうと)、食欲不振などの消化器症状や、だるさ、息切れなどの自覚症状が軽減します。さらにCARTの特徴は、アルブミンなどの栄養素を戻す事で、全身・栄養状態が改善し、生活の質の向上を期待できることです。また、自分のアルブミンを補充するため、未知の病原体に感染する可能性もありません。主な副作用は、発熱、悪寒(おかん)・戦慄(せんりつ:高熱がでて、からだがガタガタ震えること)、血圧上昇、嘔気(おうき)です。発生頻度は不明ですが、血圧低下、嘔吐、ほてり、呼吸困難などが報告されています。
難治性腹水の患者さまは、ご自身の状態がCARTの治療を受けることができるか、医師に相談してみましょう。