夜尿症治療で最初に行うことが生活習慣の見直しです。

夜尿症診療ガイドラインにも「すべての患者・家族に対して、生活指導を行うことを推奨する。」という記載があります。当クリニックにおいても、夜尿症の治療を希望されるみなさんに対して、普段の生活リズムをお伺いし、夜尿の原因となるような習慣があれば、アドバイスをさせていただきます。

具体的には以下のことに気を付けていただきます。

 

1.就寝時間、夕食の時間を一定にして、夕食は寝る2~3時間前までには終わらせましょう

摂取した水分の80%が3時間後に尿となって排泄されるというデータがあります。寝る3時間前には夕食を終わらせることが理想ですが、難しい場合は2時間前を目指しましょう。

 

2.夕食後からはできるだけ水分摂取を控えましょう。

お風呂の後にどうしても喉が渇く場合はコップ半分程度、もしくは氷を2.3個舐めるようにしましょう。お風呂を夕食前に済ませてしまうという方法もあります。

 

3.食事内容に気を付けましょう。

塩分を摂りすぎると喉が渇き、水分摂取が増えます。またフルーツにも水分やカリウムなどの利尿効果の高い成分が含まれています。夕食後のデザートとしてではなく、朝食や夕方のおやつの時間に食べるようにしましょう。

 

4.寝る直前に必ずトイレに行きましょう。

 

5.寝るときに体が冷えないようにしましょう。

体が冷えることで尿が増えてしまいます。また膀胱も収縮するため夜尿の原因となります。

 

6.便秘に気を付けましょう。

便秘によって直腸が拡張すると、膀胱が圧迫されます。昼間に適切な水分を摂取し、食物繊維を多く含む食事を意識しましょう。しかし、便秘は生活習慣の改善のみではなかなか治らないので、当クリニックでは飲み薬や浣腸を適切に使用し、便秘診療も同時に行います。

出典:「子どもの便秘はこう診る!親子のやる気を引き出す小児消化器科医のアプローチ」十河剛(著)南山堂より